1回の飲み会にかかるコストのうち、お酒そのものは一部にすぎません。深夜の食事、帰りのUber、翌日のテイクアウト、行けなかったジム、仕事での生産性の落ち込み、キャンセルした土曜の午後の予定。こうした二次的なコストは、たいていお酒そのものの金額と同じか、それを上回ります。気軽に飲む人のほとんどは、お店の会計だけを数えて、残りを無視しています。飲酒の正直な年間コストは、たいていお酒に直接使う金額の1.8〜2.2倍です。この記事は飲酒のコストのセクションの一部で、飲酒に実際いくらかかるのかを網羅的に解説しています。
この記事では、隠れたコストの具体的なカテゴリーを、1回の飲み会あたりの現実的な数字とともに取り上げ、それがどう積み重なるかを解説します。
# 隠れたコストがこれほど一貫している理由
隠れたコストは、偶然のものでも、人によって違うものでもありません。お酒を飲む人のほとんどに同じように起こる、予測できる飲酒の結果から生まれています。
抑制が外れて二次的な出費が生まれる。 飲酒は、「自分へのごほうび」「歩かずにUberを呼ぶ」「いらない食べ物を頼む」ことへのハードルを下げます。これは道徳的な欠点ではなく、アルコールが判断に与える予測どおりの影響です。
二日酔いで時間と活力が減る。 飲んだ翌日は、料理、運動、判断をする力が落ちます。その代わりになるもの(テイクアウト、使われないジムの会費、キャンセルした予定)には、お金か価値の損失がかかります。
飲酒の段取りにはお金がかかる。 お店で飲めば帰りの交通手段が必要になり、遅くまで飲めばレストランやスーパーが閉まった後に食べ物が必要になり、友人と飲めば何軒ものお店でお金を使うことがよくあります。
回復にもコストがかかる。 二日酔いの日の食事、水分補給の飲み物、鎮痛薬、ビタミン、サプリメント。どれも積み重なります。
パターンが十分に一貫しているため、1回の飲み会あたりの二次的なコストの平均はかなり予測できます。パブではお酒の直接のコストのおよそ80〜150%、家で飲む場合は30〜60%です。
# 深夜の食事:最大の隠れたカテゴリー
パブの後のケバブ。帰り道のピザ。深夜2時のマクドナルド。飲み会の後の深夜の食事は、最も一貫して発生する二次的な出費のひとつです。
起こる理由: アルコールは食べるものの選び方の抑制を外し、血糖値を乱して空腹感を強めます。また、飲み会という場では、食べることがお決まりの流れの一部になっていることがよくあります。しらふなら食べ物を選ぶときにふだん意識するカロリーやお金の計算をしないまま、注文してしまうのです。
英国の典型的な金額:
- ケバブとフライドポテト:£8〜12
- 1人前のピザ:£10〜15
- 深夜のインド料理や中華料理:£15〜25
- 酔った勢いでの2人分のデリバリー:£25〜40
米国の典型的な金額:
- 深夜のファストフード:$12〜20
- ピザのデリバリー:$20〜30
- 24時間営業のダイナー:$25〜40
オーストラリアの典型的な金額:
- 深夜のケバブやハンバーガー:AUD $15〜25
- ピザのデリバリー:AUD $25〜40
ほどほどに飲む人の年間の上乗せ額: 週に2回飲み、そのうち半分で平均£12の深夜の食事をとる人の場合:52回 × £12 = 英国で年£624。これは世帯ではなく、1人あたりの金額です。
パブ中心のパターンで週末にビンジ飲酒をする人なら、飲酒がきっかけの深夜の食事に、年£900〜1,500を使っていることもよくあります。
隠れたコストは、食べ物そのものではありません。「飲んでいなければ頼まなかった」という部分です。
# 交通費:もうひとつの大きなカテゴリー
都心での飲み会には、ほぼ必ず交通費の上乗せが伴います。
起こる理由: 飲んだ人は飲み会から車で帰れません。飲み会は公共交通機関の終電後まで続くことがよくあります。酔ったときの判断は、時間がかかる(安い)方法より、便利な(高い)方法を選びがちです。
英国の1回あたりの典型的な金額:
- 都心から郊外までのUber:£15〜30
- ロンドンのブラックキャブ:£20〜40
- 近くの町までの深夜のタクシー:£25〜50
- 電車に乗る場合の運賃:£5〜15
米国の1回あたりの典型的な金額:
- 大都市でのUberやLyft:$15〜40
- マンハッタンやサンフランシスコのタクシー:$20〜50
オーストラリアの1回あたりの典型的な金額:
- シドニーやメルボルンでのUber:AUD $20〜45
年間の上乗せ額: 週に2回お店で飲み、帰りの交通費が平均£20の人の場合:104回 × £20 = 飲酒がきっかけの交通費だけで年£2,080。
都心から離れた郊外に住む人なら、年£3,000以上になることもあります。交通費は、単独のカテゴリーとしては最大の隠れたコストであることがよくあります。
このコストは、まさに飲酒の結果です。夜9時の夕食から歩いて帰るしらふの人は、何も払いません。深夜1時に帰る酔った人は、£20〜30を払います。同じ行き先でも、コストはまったく違います。
# 二日酔いの日の食事
朝のフライアップ(英国式の朝食)。だらだら過ごす日曜のテイクアウト。月曜の夜に飲みに出た翌日の、「料理する気になれない」火曜のデリバリー。
起こる理由: 二日酔いは料理をする気力とやる気を奪います。飲酒は食料品の買い物が減る時期と重なることがよくあります。二日酔いのときに欲しくなる食べ物(脂っこいもの、しょっぱいもの、加工食品)は、たいてい手料理ではなくテイクアウトで手に入れるものです。
英国の典型的な金額:
- 調理された朝食:£8〜15
- 二日酔いの日のテイクアウトのランチ:£12〜20
- 二日酔いの日のテイクアウトの夕食:£15〜30
年間の上乗せ額: 毎週二日酔いの日があり、テイクアウトを1食頼む人の場合:52回 × £15 = 年£780。たくさん飲む人の多くは、二日酔いの日に何度もテイクアウトを頼み、この額を超えます。
このカテゴリーが表しているのは、特に「二日酔いでなければ家で料理していた」分のコストだということに注意してください。どのみちテイクアウトを頼む人には、このコストは発生しません。二日酔いでない日はふだん家で料理する人に発生するものです。
# 運動の減少とジムの会費の無駄
二日酔いの日は、ジムに行けず、長距離のランニングができず、予定していた活動ができません。コストは2つあります。
直接のコスト:ジムの会費の無駄。 月£40〜60のジムの会費で、利用が飲まない人より30%少なければ、年£150〜200を実質的に無駄にしていることになります。
間接的なコスト:運動の効果を逃すこと。 体力の低下は何年にもわたって積み重なり、代謝の低下、心血管の健康の悪化、気分の調整の悪化につながります。これらは財布から直接出ていくお金ではありませんが、後の医療費や生活の質の低下を通じて、現実の経済的な価値を表しています。
年間の推定額: 会費の無駄の部分で年£150〜300。さらに、数字にしにくい体力の損失の部分が加わります。
フィットネスのクラス、パーソナルトレーナー、スポーツクラブの会費を払っている人なら、無駄になる出費は会費の額に応じて大きくなります。
# 生産性の低下
二日酔いの日の仕事は、測定可能なほど成果が落ちます。研究では、頭を使う仕事の場合、二日酔いの日の生産性はふだんの30〜60%と推定されています。体を使う仕事の生産性は、たいていそれほどは落ちませんが、けがのリスクが高まります。
コストの計算: 給与制で働く人の場合、コストは財布から直接出ていくものではなく、間接的なもの(昇進の遅れ、同僚と比べた成果の低下、キャリアの伸び悩み)です。
フリーランス、契約で働く人、事業主、歩合制で働く人の場合、コストは直接的です。二日酔いの日には、請求できる仕事が減り、売上が減り、事業の成果が落ちます。
年間の影響の推定: 年収£40,000で、二日酔いで仕事の質が落ちる日が年に50日ある人なら、生産性の損失は年間の成果のおよそ5〜7%にあたります。キャリア全体では、これが積み重なり、測定可能な生涯収入の差になります。
日給£400のフリーランスで、二日酔いで仕事の質が落ちる日が50日ある人の場合:二日酔いの日の成果がそうでない日の半分だとすると、実質的な年収の減少はおよそ£10,000になります。
# 医療とセルフケアのコスト
1つひとつは小さな項目ですが、積み重なります。
鎮痛薬や二日酔いの対策グッズ。 ほどほどに飲む人で年£40〜100、たくさん飲む人で年£150〜300。
飲酒の影響を「補う」ためにとるビタミンやサプリメント。 ビタミンB群、マグネシウム、ミルクシスル、二日酔い予防の製品。多くの飲む人で年£100〜300。
睡眠を助けるもの。 飲酒で睡眠が乱れている人は、睡眠補助薬、メラトニン、マグネシウム、ホワイトノイズマシン、ときには処方の睡眠薬にお金を使うことがよくあります。年£100〜400。
飲酒の影響に対処するためのスキンケア。 肌の赤み、むくみ、老化の加速が、クリーム、トリートメント、ときには専門的な施術への出費につながります。個人差がとても大きいものの、見た目を重視するたくさん飲む人では年£200〜1,000以上。
アルコールによる症状に一部対処するメンタルヘルスの支援。 少なくとも一部はアルコールが原因の不安や落ち込みに対処するための、カウンセリング、薬、サプリメント。
直接の医療費: 民間の医療制度(米国、EUの一部)では、飲酒に関連する健康問題が、保険料の上昇や自己負担の出費を測定可能なほど押し上げます。英国のNHSでは、飲む人が直接払うことはありませんが、制度全体が負担しています。
# 買い替えのコストと生活の変化
それほど目立たないカテゴリーもあります。
グラスの買い替えと家の中の損傷。 割れたグラス、傷んだ家具、買い替えたスマホ(飲み会で落としたりなくしたりしたもの)。個人差がとても大きいものの、多くの飲む人で年£50〜300。
衣類とクリーニング。 しみ、傷み、お店に置き忘れた物。お店で飲むことが多い人で年£100〜400。
減らすときのノンアルコールの選択肢の割高な価格。 ノンアルコールに切り替えても、パブやレストランは、製造コストが安いにもかかわらず、同じくらいか、ほんの少し安いだけの価格をつけていることがよくあります。
旅行の割増。 休暇中の飲酒は、お店の高い価格を伴うことがよくあります。ほどほどに飲む人の典型的な1週間の休暇には、家にいれば使わなかった£200〜400の飲酒関連の出費が含まれています。
# 全体像
英国でほどほどに飲む人(週10〜14杯、パブと家の両方)の隠れたコストを合計すると、次のようになります。
- 深夜の食事:年£400〜800
- 帰りの交通費:年£800〜2,000
- 二日酔いの日の食事:年£400〜800
- 無駄になったジムの会費:年£100〜200
- 鎮痛薬やサプリメント:年£100〜300
- 買い替えと損傷:年£50〜200
- 休暇中の飲酒の割増:年£200〜400
隠れたコストの合計:年£2,050〜4,700。
ほどほどに飲む人がお酒に直接使う典型的な額である年£2,500〜3,500と比べると、隠れたコストは目に見える出費を大きく膨らませています。
# どう考えればよいか
役に立つ考え方をいくつか紹介します。
# お酒だけでなく、コスト全体を記録する
飲酒に実際いくらかかっているのかを見極めたいなら、二次的なコストも含めましょう。たくさん飲んだ月と少なかった月で、Uberの出費を記録してみてください。テイクアウトの出費も同じように記録しましょう。その違いに、多くの人が驚きます。
# 減らしたときの計算は、隠れたコストにも効く
パブでの飲み会を週1回減らすと、お酒代だけでなく、Uber、深夜の食事、翌日のテイクアウトも節約できます。1回の飲み会を減らしたときの実際の節約額は、お店の会計の2〜3倍になることもよくあります。
# 飲む量を減らさなくても避けられる隠れたコストもある
飲む量が同じでも、次のようなことができます。
- (可能なら)Uberを使わずに歩いて帰れば、交通費が減る
- 飲み会の前に食べておけば、深夜の食事が減る
- 二日酔いの日に料理をすれば、テイクアウトの出費が減る(言うほど簡単ではありません)
- お店ではなく家で飲めば、お酒の価格もほとんどの二次的なコストも減る
飲む場所を家に移し、お店での飲み会を減らした人は、アルコールの総摂取量を変えなくても、隠れたコストを劇的に減らせます。
# 便利さへの割増料金
隠れたコストのほとんどは、便利さに払う割増料金です。深夜の食事は食料品より高く、Uberは歩くより高く、二日酔いのテイクアウトは手料理より高くつきます。飲酒は、ほぼすべてのカテゴリーで、人をより高い便利な選択肢へと引き寄せます。
# 本当に役立つこと
隠れたコストを減らす方法です。
- 飲み会の前に食べておく(深夜の食事が減る)
- 飲み会が始まる前に帰りの交通手段を決めておく(慌てて高い交通手段を使うことが減る)
- 飲みながら水分をとる(二日酔いが軽くなり、二日酔いの日の出費が減る)
- 運動する日の直前には飲まない(ジムの会費の無駄が減る)
- 二次的なコストも含めた飲み会の予算を決めておく
これらは飲む量を減らす必要はありません。飲酒の後にたいてい続く、二次的な出費を減らすものです。
# AlcoLogでコスト全体を見る方法
AlcoLogはドリンクを1杯ずつ、金額付きで記録します。カタログの価格は、英国のスーパーやパブの一般的な価格を反映していますが、地元の価格に合わせて1杯ごとに編集できます。
コスト全体を記録する場合、AlcoLogのデータが示すのはお酒に直接使った金額です。隠れたコスト(Uber、テイクアウト、ジムの無駄)はほかの場所で記録する必要がありますが、AlcoLogのセッションの時刻があれば、その関係が見えるようになります。銀行アプリで、毎月のUberの出費を飲み会のセッションと照らし合わせれば、直接のつながりがわかります。
CSVの書き出しでは、時刻付きのセッションの生データが手に入り、銀行の書き出しデータと組み合わせて、隠れたコストを完全に分析できます。飲酒のお金の全体像を見たい人は、このデータから組み立てられます。
セッション終了時の概要には、そのセッションでお酒にいくら使ったかが記録されます。セッションを終えるたびに、頭の中で二次的なコストを足してみると(「お酒£32、Uber£15、ケバブ£10で、この飲み会は£57」)、1回の飲み会のコストの感覚が、より正確な値に近づきます。
# 「飲酒のコスト」セクションのほかの記事
[HUB SIBLINGS LIST]
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